¦映画 2008

2008年映画ベスト10

年末にやっとけ、という企画ですが今思い出したのでサクっとエントリーしときます。

第10位:オサマ・ビンラディンはいったいどこに?

企画の勝利。よくマイケル・ムーアと対比されるけれど、モーガン・スパーロック監督のほうが「思想性」は薄く、正攻法で賛否両論をきちんと映している。もちろん彼の主張の方が強調されるけど、ドキュメンタリーの文法にはのっとっているかな。

第9位:Get Smart

思ったより面白かったので、後でオリジナルのTVシリーズも見てみた。そうすると、映画の小ネタは大半がオリジナルにあったとわかり、より面白さアップ。先にTVシリーズを見ておくと吉。

第8位:歩いても 歩いても

是枝監督は淡々とした描写の中に潜む想いを伝えるのがうまい。
演技過剰を排し、ちょっとしたセリフやしぐさがより際だつように演出しているのかな。

第7位:Lars and the Real Girl

主人公ラースがどうのという話ではなく、彼の周りにいる友人・隣人たちのすばらしさが自然と浮き上がってくる良作。

第6位:Mamma Mia!

ABBA世代には理屈抜きにに楽しめる。

第5位:The Visitor

前半のほのぼのとした「いい話」から、後半の「切迫した雰囲気」への転調が非常にうまくいっている。

第4位:ヒトラーの贋札

ナチス収容所という「善悪」の彼岸を越えた極限状態での人々の生き様と、解放後のモナコでのシーンの対比がすばらしい。

第3位:告発のとき

普通の若者を「人殺しを何とも思わない」けだものに変えてしまったイラク戦争。ベトナム戦争の帰還兵があれだけ社会問題になったのだから、このイラク戦争の帰還兵についても何年も何十年もアメリカは苦しまなければいけないのではないか。

第2位:容疑者xの献身

堤真一がすばらしい。本当にすばらしい。(福山&柴崎は脇に置いとくとして)脚本もいいし、松雪泰子もヨイ。でも堤真一のラストショットは今年一番印象に残るシーンだった。

第1位:ダークナイト

ダントツのNo.1。ヒース・レジャー黙祷。

さて、今年はどんな映画が見れるかな→にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

The Visitor

The Visitor(★★★★★) @ The Bridgeway

かなりよかった。ぜひ日本でもやって欲しい。(追記:日本でも09年6月27日より公開決定)

主人公はサエない男やもめの大学教授ウオルター。妻が亡くなってからというもの、彼はあらゆることに意欲をなくしてしまっていた。

授業は1コマのみ、それも10年来同じ内容で通し

「次の本を書く準備が忙しい」

と言って代講すら拒否。プライベートでも元々人付き合いが苦手だったこともあり、気の置けない友人とかもおらず、毎日孤独な日々を過ごしている。

まさに

「枯れ果てた」

という表現がぴったりの人生を過ごしていた。

そこに偶然飛び込んできたシリア人のタレクとセネガルから来た恋人ザイナ。最初ぎこちなく始まった交流は、タレクが肌身離さず持っているジャンベ(アフリカの手鼓)をきっかけに徐々に深まっていく。

ジャンベの演奏を通してウオルターが徐々に人間らしさを取り戻して行く様は、見ていて心が洗われる。

しかし、思いもかけない災難がタレクに降りかかり、彼は逮捕、拘束されてしまう。

ウオルターは、それまでの彼では到底考えられないことだけれど、タレクを救出しようと全力を尽くす。

そこからタレクの母モウナも加わり、事態は切迫の度を深めていく。

前半の「心温まるいい話」から、中盤の「理不尽で冷酷な現実」への転調、そして登場人物それぞれが抑えていた感情を吐露するドラマチックなクライマックスへと、見事にストーリーが展開していく。

ウオルター、タレク、ザイナ、そしてモウナ。みな欠点を抱えながらも、それぞれに魅力的。

人は運命的な出会いが触媒となって、自ら変わっていく。そんな「動的」な人間関係を綴ったヒューマン・ドラマの傑作。

いつもありがとうございます。今回もポチっとよろしくお願いします→にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ

| | コメント (1) | トラックバック (0)

容疑者xの献身

日本滞在中の映画レビュー、最後を飾るのは

容疑者xの献身(★★★★★) @ 新宿ピカデリー

すばらしい。今年見た中で間違いなくトップクラス。

後で原作読んだけど、原作をきっちり理解した上で必要なエッセンスを取り出し、2時間という尺に見事にまとめている。その取捨選択と割り切りがよい。

全然知らなかったのだけど、「ガリレオ」として昨年フジTV月9でドラマ化されてたのねん。ドラマ見ないので全くもって無知でした。

ミステリーとしての完成度も高いし、ドラマとしてもすばらしい。

「親友が犯行に手を貸しているかもしれない」

と悩みつつ、事実に目を背けることなく真相に迫るガリレオ。その葛藤ははかりしれない。

俳優では堤真一が最高。クライマックスはまさしく彼の独壇場。十分堪能した。

文句なしの名作。必見。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

歩いても 歩いても

映画レビュー3本目は

歩いても 歩いても(★★★★☆) @ ギンレイホール

是枝監督作品。

よかった。

オフィシャルページにもあるけれど、ミニマルなホームドラマとして、小津作品を彷彿とさせる。

一番印象に残ったのは、いくつかのシーンで出てくる、樹木希林の抑制された、でも心の奥底に潜む怨念の深さ。

浮気をした夫、長男の死の原因となった青年、バツイチの嫁。

軽いタッチの中に潜むその毒に、空恐ろしくなった。

是枝監督は次回作「大丈夫であるように」が12/12公開。多作だねえ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アキレスと亀

日本滞在中の映画遅レビュー2本目

アキレスと亀(★★★☆☆)

「ピュアな二人の純愛」

に見せかけて、

「芸術家の狂気」

を描いている。

そこはまあ北野武っぽいところではあるのだけど、やっぱり「ソナチネ」をリアルタイムで見た筋金入りのキタニストにとってみれば、

「ぬるい、ぬるすぎる」

ことは間違いない。

たけちゃんは、どんな映画を撮りたいんだろうなあ。「takeshi's」とか「監督バンザイ」はおいといて、噂になっている時代劇とか高倉健主演のヤクザものとか?

なんにせよ、残念。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

櫻の園

日本滞在中に見た邦画レビュー。もう遅いような気もするが…

しょては

櫻の園(★★☆☆☆)

ひとことでいうと

「オスカープロモーション女優のPR映画」

というのも、女優ひとりずつ順番に、どう考えても無駄なアップが挿入される。特別出演の上戸彩とかも。

あの名作「櫻の園」(コミックも第1作映画も)の名前がつき、さらに同じ監督(中原俊)がやっているというのが、残念でならない。中原俊、魂を売り渡しましたか。

言うべきこともほとんどないのだけど、ひとつだけ

菊川怜が演劇部顧問

というのは、誰かが思いついた

「罰ゲーム」

なのでは、と本気で思った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

How to Loose Friends and Alienate People

How to Loose Friends and Alienate People (★★☆☆☆)@ HOYTS Sylvia Park 日本公開は???

Alienateは「…と不和になる」

なのでタイトルは

「どうやったら友達を失い、周囲の人々に嫌われるか」

という感じ。

三流インディペンデント系フリーマガジン編集長@ロンドンのシドニーが、ひょんなことからニューヨークの一流雑誌にスカウトされる。

最初はイギリス流ゴシップ記事を書こうと意欲満々だったが、周囲から徹底的に反発され、トラブル多発(このあたりが題意ですな)。

結果、クビ寸前の状態に。しかし、アリソン(キルスティン・ダンスト)との恋愛もどきとか、あこがれのセレブへの急接近などがあって「現実との折り合い」を見つけてからは出世街道をまっしぐら。目標だった「セレブとお近づきになる」を達成したかに見えたのだけど…

原作となった小説は、著者が実際にVanity Fairで5年間勤めた時の経験をもとに書いたもの。

映画化するにあたって尺を抑えるためにエピソードを削っているのだろうけど、もう少し前述の

「現実と折り合いをつける→そこからの揺り戻し」

あたりを丁寧に描いてくれないと、正直唐突感が否めない。家庭的なバックグラウンドも含め、シドニーは確信犯的に「ゴシップ」を狙っていたはずなのに、コロっと「パブリシティ系」に

「転向」

するなんて、そんなに簡単なもんぢゃないと思うのでした。

唯一の収穫は、キルスティン・ダンストがよかったこと。

三白眼の彼女は

「ちょっときついけど、意外と可愛いいとこあるじゃん」

くらいのレベルがちょうどいいかと。

いよいよ一時帰国が迫ってきた。帰国中もなるべく更新しますので、こちらもぜひポチっとお願いします→にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

The Pineapple Express

The Pineapple Express(★★★☆☆) @ Hoyts Wairau Park 日本公開は多分なし、DVDスルーの可能性高し

ハコはお初、うちの近所にあるHoyts系列映画館。20年くらい前に建てられたのか、建物は結構古い。

DVDで一部から話題をさらった「スーパーバッド 童貞ウオーズ」(なんちゅうタイトル:笑、残念ながら未見)

の監督が撮った、おバカな男2人が主人公のドタバタコメディー。

タイトルのパイナップル・エクスプレスはマリファナのブランド。

典型的なルーザー2人が主人公ということで、全編

「カッコ悪い」

のオンパレード

本来ドキドキワクワクするはずのカーチェイスも

「フロントガラスがひびだらけで見えなくなり、足でつきやぶろうとしたら足が抜けなくなった(予告編にあり)」

なんてダサダサだし、親友をマフィアの手から取り戻そうとする時に肝心の仲間が

「やっぱやめた」

なんてトンズラこくし、惨憺たるありさま。

一応「友情もの」のはずなのだけど、友情に涙するような場面もわざと

「白々しい」

演出をしたりして、一筋縄ではいかない感じ。

途中スター・ウオーズごっことか小ネタもまじえつつ、そこそこ楽しませてもらった。

こちらもポチっとお願いします→にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Burn after Reading

Burn after Reading(★★★☆☆) @ Skycity Queen St. 日本公開は???

ジョージ・クルーニーとブラピが共演ということでおされなアクションコメディを期待したのか、はたまたコーエン兄弟の前作「No Country for Old Men」をイメージしていたのか、

「期待はずれ」

「こんなの見たくなかった」

などとwebでの評価は散々。ホメてるレビュー見たことないっす。

でも、

バートン・フィンク
未来は今
ファーゴ
ビッグ・リボウスキ
オー・ブラザー
バーバー
ディボース・ショウ
レディー・キラーズ
ノーカントリー

とコーエン兄弟監督作品を見続けてきたしおぴーにとっては、それほど違和感はない。

「ロクでもないやつらが、ロクでもないことをして、ロクでもない結果になる」

という、彼らのこれまでの作品の底流に流れるテーマが今作もきっちり引き継がれている。

ホント、ジョージ・クルーニーもブラピもマルコビッチもみーんな

「ロクでもない」

そのロクでもなさが喜劇と悲劇を生み、そこはかとないおかしさと哀れさを感じさせる。

そういう意味では

「もののあはれ」

的な映画といえるかも(笑)

よろしければ、こちらもポチっとお願いします→にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ

| | コメント (0) | トラックバック (1)

オサマ・ビンラディンはいったいどこに?

Where in the world is Osama Bin Laden?(★★★☆☆)@ Paramount 日本公開は???

「スーパーサイズ・ミー」で一躍有名になったモーガン・スパーロック監督の最新作。日本でも必ずや公開されると思うのだけど、なぜか日本公開情報は見当たらず。

ちなみに原題の"in the world"は、

「世界の(どこか)」

ではなく、

「いったいぜんたい」

という慣用句です。高校で習いましたね(笑)

前作同様、監督自身が被写体になってのドキュメンタリー。ちゃんとテーマソングまで作っているのには笑った。

内容が超シリアスということもあってか、特に前半は敷居を下げて飽きずに見られるよう工夫している。たとえば、冒頭の出発準備編では明らかにわざと

「レベルの低い」

下準備をやって笑いを誘っているし、

その後彼は中東の国々を飛び回るのだけど、それぞれの国に入ると

「ステージ1 エジプト」

などと表示、自分とビンラディンをファイティングゲームのキャラクターに仕立てたCGを挿入し、変に生真面目にならないように工夫している。といっても、後半になればなるほどシリアス度はどんどんアップ。それにつられて映像に引き込まれていく。

ビンラディンの恩師に会ったり、イスラエルでは爆弾処理の現場に行ったり、実際に自爆テロを起こした犯人の住んでいたスラムに泊まったりと突撃レポーターぶりは健在。

各国で市井の人たちに

「ビンラディンがどこいるか知ってる?」

とか

「ビンラディンのことどう思う?」

「アメリカについてどう思う?」

など聞きにくいことを直撃インタビュー。

たぶんよく比較されるだろう、マイケル・ムーアとの一番の違いは、ちゃんと

「両論併記」

することかな。ビンラディンを非難する人だけでなく崇拝する人の話も残すし、アメリカを批判する人だけでなくアメリカをほめそやす人もちゃんととりあげる。(どちらも後者は少ないのだけど、たぶん絶対数が少なかったのだろう)

意外だったのは、イスラムの人々の間でもビンラディンを非難する人のほうが圧倒的に多かったこと。イスラエルと血で血を争う戦いを続けているパレスチナですら、そう。

あと

「アメリカ人は嫌いじゃないけど、アメリカ政府の方針は大嫌い」

という人が予想通り多かったかな。

パキスタン、ペシャワールでのタリバンへのインタビューというのはなかなかすごい。ご立派。

よろしければ、ひと押しお願いします→にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧