ご臨終メディア
ご臨終メディア -質問しないマスコミと一人で考えない日本人(森達也 森巣博 集英社文庫 680円)
ドキュメンタリー作家森達也と博打打ち森巣博の対談集。
集英社文庫では以前、姜尚中と森巣博の対談集を出し、結構当たったので、二匹目のどじょう狙いかな(笑)。
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ご臨終メディア -質問しないマスコミと一人で考えない日本人(森達也 森巣博 集英社文庫 680円)
ドキュメンタリー作家森達也と博打打ち森巣博の対談集。
集英社文庫では以前、姜尚中と森巣博の対談集を出し、結構当たったので、二匹目のどじょう狙いかな(笑)。
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渋谷ではたらく社長の告白(藤田晋 アメーバグックス 1600円)
なんというか、発売から半年以上たって、こんな本を読むのもどうかと思いつつ。でも、奥菜恵と離婚した後ということもあり、それはそれでものさみしげな感じも醸し出されたり。
前半は強気一辺倒。上場後の株価暴落あたりは、逆に弱気ばっかりと極端な対照をなしている。
印象的なのは、経営方針をコロコロと変えていること。
彼が成功したのは、死にそうに働いたこともそうかもしれないけれど、
「これの方がいい」
と思ったら、即そちらに切り替える変わり身の早さが、ネットバブルを生き残れた秘訣なのでは。
特に、友人・同僚・従業員に対して一度約束したことを違える事に対し、もちろん罪悪感を感じながらだけれども、きっちりと切っていくあたりは、非常に思い切りの良さを感じさせる。
「うまく時流に乗っただけ」
などと彼を批判するのは簡単だけど、きっちりビジネスとして成功しているところは、ちゃんと認めてあげるべきでは。
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パチンコ30兆円の闇(溝口敦 小学館 1400円)
パチンコは日本最大のレジャー産業であり、30兆円という途方もない規模の業界となっている。本書でも比較している通り、自動車業界41兆円、医療30兆円と比べてみると、その大きさがわかる。
しかし、その業界は
「賭博であるけれど賭博ではない」
という、法律のグレーゾーンに属し、そのため警察や暴力団の利権の温床となり、かつ犯罪集団の跳梁跋扈する闇を抱えることとなる。
パチンコは大学1年の時にちょっとだけやって、確か3回目に大当たりで1万円弱を稼いだところでやめてしまった。
#当時はハネもの、かつ確変などないので、かわいいもんだった。
なので、パチンコの生涯収支がプラス、というのは自慢していいかもしれない(笑)。
海外のカジノと比べ、透明性が格段に落ち、かつ換金率も異常に悪いパチンコがここまで大きくなったのは、射幸性をあおるマシンを、パッキーカードなどの利権獲得と引き替えに次々と導入していった警察にその責任がある。
売上高は高水準を保っているが、実はパチンコ人口は減少している。マニアが増えて裾野が狭まる、という危機的な状況に成りつつある。
本書では、
パチンコ法の策定と換金の適法化により透明性をアップし、かつ射幸性の高いCR機などを規制することにより、健全な娯楽としてのパチンコ再生を提案している。
実効性はあると思うが、警察が利権を手放すかどうかにかかっている。
小泉さん、これが実現できれば、見直すんだけどね。
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ダライ・ラマに恋をして(たかのてるこ 幻冬舎 1400円)
いつものように直情径行、思ったら即行動のたかのてるこが、失恋をきっかけにダライ・ラマに会いに行こうと決意し、実際に実現しちゃう、というお話。
といっても、途中インドにありチベット系住民の多いラダックに滞在し、地元の人たちからチベット仏教を学んでいくあたりが過半を占める。
多くのチベット仏教徒は、祈るときに自分の幸せではなく
「世界が平和になりますように」
「人々が平穏に生きられますように」
とより高い視点から祈る、という話は興味深い。ブックオフでダライ・ラマの本を手に入れたので、後でチェックしてみよう。
ラストのダライ・ラマの対話で印象に残ったのは
「生きる目的は?」
との質問に対し、
「『幸せに存在すること』そのものが、生きる目的だ」
という回答をしたこと。
何かを成し遂げることではなく、ただ「よく生きる」ことが目的、というのは非常に納得がいく。宮崎哲弥などが言う通り、他の宗教と仏教はちょっと違うのかもしれない。
この本に出てくるチベット仏教徒の一人も、
「仏教は宗教ではなく哲学だ」
と言っていた。ちょっと勉強してみるかな。
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全ての装備を知恵に置き換えること(石川直樹 晶文社 1600円)
世界7大陸最高峰最年少登頂記録を更新した、若き冒険家石川直樹のエッセイ
登山、極地行、潜水、飛行…
彼は、興味の赴くところ、様々な冒険を試みる。その際、
「なるべく装備をせず、自然に直接対峙する」
ことを追求する。
つまり、潜水なら素潜りだし、極地であれば犬ぞりを使い、飛行する場合も気球を使う。
もちろん、難易度は格段に高くなる。
しかし、GPS、ジェットエンジン、特殊潜水ギアなどの様々な機器のサポートを得て冒険を成し遂げることと、身ひとつで達成することの重みも、また大きく違う。
気持ちの部分では非常に共感。ただし、実践は無理だけど(笑)。
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香田証生さんはなぜ殺されたのか(下川裕治 新潮社)
著者は「貧乏旅行作家」として有名で、今まで主にアジアの旅行記を書いていた。なのに、今回はかなり毛色が変わった社会派素材を取り上げている。本屋で見つけて購入。
この本で取り上げられた香田さんがバグダッドで殺され、もう1年がたった。彼の少し前、3人が人質となった時の「自己責任論」大合唱と比べると、
「判断力の無い若者がムチャをして」
という、つきはなした感じの論調が多かった。実際に彼が殺されてからも、
「危険な地域に行ったのだから、死んでも自業自得」
という感じだった。
当たり前のことだけど、国家は国民を守る義務がある。国外において自国民が危険にさらされたなら、国家は最大限の努力を払い、救出の努力をしなくてはいけない。そのために国民は税金を払っているのだから。そんな大原則が無視され、
「救出のために税金を使うことの是非」
が議論される、というのは、明らかにいびつでゆがんだ状況。
#問題が解決した後に、「救出にかかった費用」の一部もしくは全部を当事者に負担してもらうことは、状況によりありえる。でも、少なくとも救出の際は緊急性の高さが自明なのだから、棚上げすべき話。
著者はそんな「自己責任論」に違和感を覚え、ニュージーランドからイスラエル、そしてイラク国境と、香田さんのたどった道筋をたどりながら
「なぜ彼はイラクに行こうとしたのか」
を考える。当然ながら自分の体験から導き出した推測のたぐいも多く、正当派事件ノンフィクションとは言い難いけれど、
「バックパッカー」
の視点から、あの事件を再構築し、解説している。途中、タイやバングラディシュなどでの自分の体験を描く部分がちょっとダルかったかな。
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国家の自縛(佐藤優 産経新聞社 1500円)
今週のAERA「現代の肖像」は、この本の著者、佐藤優。吉田司がインタビュアーなのがちと気に入らないが(笑)。
未だ控訴中の刑事被告人ではあるけれど、前作「国家の罠」はその卓越した情報収集力と徹底したプロ根性により各所で絶賛され、名誉回復著しい。同朋、鈴木宗男も衆院選で復活し、ご同慶の至り(笑)。
インタビュー形式のこの本、聞き手の産経新聞社斎藤勉が自らあとがきで述べているように
「国家の罠」の背景を知るサプリ
として提供されている。
佐藤優に興味があるなら、まずは「国家の罠」を読むべし。
で、その後でこの本を読むと、著者の思想背景となった同志社大学時代の話とか、前作では語られることのなかったネオコンなどについての話がより楽しめる。
佐藤優・鈴木宗男コンビの主張してきた公平配分モデル(平等主義)と、小泉改革が推進する新自由主義モデル(弱肉強食)。どちらに与するかというと、実は後者なのだけど、前者の要素(セーフティネット)は社会のセキュリティを担保するためにも必要。いかに両者を差配するかが肝要と強く再確認。
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最近、やっと本を読むようになってきた。がんばってエントリーもせねば。
阿片王(佐野眞一 新潮社 1800円)
満州で阿片売買を仕切り、巨額の資金を得ていた謎に包まれた人物、里見甫を描くノンフィクション。といっても、後半は愛人(?)の梅村淳とその母親梅村うたに焦点があてられていたが。
佐野眞一は、ノンフィクションという仮面をまといながら
「情」
を描くことが多いように感じる。
資料を当たり、地をはうように取材をし、関係者にインタビューを敢行してまずは
「事実(と思われるモノ)」
をつかむ。そして、大胆な推理を交えて事件にまつわるストーリーを
「彼は、(事実から推測すると)こういう人間だから、こう思ったに違いない」
のようなスタイルで
「人の情」
をベースに構築する。
個人的には、こういうスタイルは好きにはなれない。
彼がどう思ったか、というのは言ってしまえばどうでもよくて、
「何が起きたのか。それは、なぜか。」
を追求して欲しい。全ての理由を人の感情に帰結させるのは、安易な解決法の気がしている。
この手法はうまくいくと、ダイエー中内社長を描いた「カリスマ」のような傑作になるのだけど、全てが佐野眞一の理解できるロジックで行動しているわけではない。
今回は、60年以上も前の話ということもあり、主人公里見甫の心中まではとても描くことができなかった。だから、後半愛人の描写などに終始したのかなあ、と思ったり。
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異国トーキョー漂流記を読み、著者の高野秀行の破天荒さが気に入った。
で、久々に彼の本を片っ端から購入して読む、「著者全作品読み」をやってみた。
面白かったのはやっぱり純粋冒険モノ。特に「ムベンベ」はいい。「西南シルクロード」は、ちょうど読了した日にテレビ東京でカチン民族のドキュメンタリーをやっていて、あわせて楽しく見た。
自分にはこんな旅はできないので、彼にがむばって「辺境」を旅してもらい、その旅行記を読ませてもらいたいと思う。
実はこの土曜日に彼が出るイベントがあったんだけど、先約があったので行かなかった。今激しく後悔中。やっぱ行くべきだったなあ。次回は、ぜひ。
「辺境ライター」の真骨頂。今や現地の人ですら車を使うのに、密林のミャンマー北部を(やむなく)徒歩で踏破。その行き当たりばったり性も驚愕に値する。
アフリカ中部、探検家ですら躊躇するような未開の地に「幻の怪獣」を探しに赴く。著者はその時まだ大学生。スケールでかい~。
大学から11年間住んだ早稲田のボロアパートにまつわる小ネタ話。こういうエッセイっぽいのもちゃんと読ませるのは、文章がうまい証拠。
部外者がほとんど入ったことの無かったビルマ北部に半年滞在し、阿片の種まきから刈り取り、精製までを自ら試す。阿片中毒になるというおまけまでつけるあたりが、彼らしいのだけど。
アマゾンを河口から源流まで遡る旅。これも、大学生の時の作品。元々「地球の歩き方」アマゾン編として依頼されたのに、できあがってみたらまるで旅行記になっていて、しょうがないから「地球の歩き方・紀行編」として1冊だけ発行された、という掟破りの本。
インド、アフリカ、タイ、ビルマ、中国などの中編旅行記を集めたもの。
タイについての小ネタ本。
最新作。これはちょっと手抜きだったかなあ。文字数異常に少ないし、珍しくやっつけ仕事な気が。
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バス旅行の帰り、渋滞で6時間もかかったけれど、一つ良いこともあった。
渋滞中に好きな漫画家、深谷陽のHPで紹介されていた、
異国トーキョー漂流記(高野秀行:集英社文庫)
を読了できたこと。
この筆者、かなり世界を渡り歩いていて、「辺境ライター」と自称するほどそれら辺境モノの著作が多い。でも、この文庫書き下ろしは視点を変えて、
「東京に来た変な外国人」
を紹介している。
暗黒舞踏に目覚めたフランス人、「日本のマイケルジャクソン」を目指すコンゴ人、日系三世を自称するペルー人などなど。
彼ら彼女らのトンデモな行動そのものも面白いし、そもそも著者自身が
「川口浩探検隊に本気であこがれてアマゾンを目指す」
ようなトンデモが入った人なので、相乗効果で面白い。
そもそも旅行記は自分の価値観と滞在先に住む人々の価値観という、「異文化」のぶつかる瞬間が面白い。そういった意味では、この本は東京の話ではあるけれど、旅行記と言ってもいいのかもしれない。
バックパッカーをしていた10年くらい前、下川裕治・蔵前仁一に代表される貧乏旅行記を一時期読みまくっていた。そうそう、アジアン・ジャパニーズなんていうパチもんもあった。いつの間にかネットで普通のホテルを予約するようになり、ビンボー旅行をする機会が無くなったら、とたんにビンボー紀行文も読まなくなった。
でも、異文化とぶつかること、自分の価値観をゆさぶられることって絶対に大事。仕事の関係上長い休みを取りづらい今日このごろだから、その分こんな本を読んで、カルチャーギャップを感じるのもいい。
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