¦映画 2006-07

パンズ・ラビリンス

パンズ・ラビリンス(★★★★☆)@恵比寿ガーデンシネマ

ダーク・ファンタジーと銘打っていただけあって、ダークな内容ですな。

全編ファンタジーというわけではなく、1944年、スペイン内戦時に主人公の少女が直面した厳しい現実に「彼女にとっての現実=ファンタジー」が加わっていたという話。

現実の世界では虫けらのごとく人々が殺され、ファンタジーの中でも厳しい試練が彼女を待ち受けている。なんだかずっと暗いトーンで話が進んでいき、結局彼女はどうなってしまうのか、気をもんでしまった。

その結末は見ていただくとして、非常によく話の練られた、良質の映画であることは間違いない。(しおぴー同様)恵比寿ガーデンシネマが嫌いな人も、シネカノン有楽町1丁目でもやっているので、そちらでぜひ。

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エディット・ピアフ

急に涼しくなった今日このごろ。約1ヶ月ぶりの更新ですな。

エディット・ピアフ 愛の讃歌(★★★☆☆)

最近映画館で上映前の予告編でやたらと目についていたこの作品、評価も高いようだったので見にいってみた。

成り上がりの歌手一代記。実は一生を通して1本の映画にする、というのはどうしても焦点がボケてしまうのであまり好きではない。ダラダラと時代を追って流すのではなく、多少なりとも注意を引こうとしてか、やたらと時代が行ったり来たり。気持ちはわからないではないけれど、ちょっとやりすぎではないかと。

病弱で両親から見放され、あげくに娼館で育てられとどん底の生活をしていたピアフ。彼女にとって「歌が全て」だった。路上で見いだされ、キャバレー、そしてコンサートとステージが上がっていく。

有名になった後、体調が悪く舞台をキャンセルしようとするスタッフに対し鬼気迫る勢いで

「歌わせて。でなければ生きている意味がない」

と訴える彼女は、「歌に魅入られて」しまったのだろう。

彼女の一生は光と陰のコントラストが激しかったけれど、悔いがなかったことを祈りたい。

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オーシャンズ13

最近歌舞伎町で映画を見ることが増えた。
「歌舞伎町シネシティ」と「ぴあ」のタイアップで発行した

歌舞伎町シネシティカード

で歌舞伎町で上映される映画が原則1000円で見れるようになったから。
#すでにカード配布は終了

というわけで、今日はオーシャンズ13(★★★★☆)@ミラノ座

プロデューサーのジョージ・クルーニーいわく、前作が不評だったために急遽リベンジのために製作したこの続編、十分愉しませてもらいました。

きれいどころジュリア・ロバーツとキャサリン・ゼタ=ジョーンズを外し、余計なラブストーリーを省略、

悪者アル・パチーノをいかに陥れるか

に集中してストーリーは進む。前作ほどのトラップ・どんでん返しは存在せず、ストレートにリベンジに向かう。

復讐劇だけに、オーシャンズシリーズとしては多少肩に力が入った感はぬぐえないが、それもまたよし。

ラスベガスに行ったのはもう20年も前の話。当時はおちぶれつつあるカジノだけの街、という印象だったのが大きく変わっている。久しぶりに行きたいな。

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トランスフォーマー

トランスフォーマー(★★★☆☆)@新宿プラザ

レビューではたいがい酷評されており、一部に

「ロボットアクションだけを徹底的に割り切って見せているところがすごい」

とほめているのかけなしているのかわからないけど、一応評価しているものがあるくらい。

というわけで、怖いもの見たさに行ってみた。

元々トランスフォーマー自体が子供向けのおもちゃということもあり、これは子供向けの映画なのでは、という気もするのだけど、そんなものに1億5000万ドル(172億円!)もかけるのは、正気の沙汰とは思えない。でも、とりあえず米国内では興行収入目標をクリアしたみたいだし、日本でもそこそこ好調の様子。

子供向けとしても、ストーリーはあって無きがごとし。つっこみどころ満載で、シナリオ学校で卒業制作として提出したとしても「落第」となるような超ご都合主義かつ矛盾だらけのしょーもない内容。

ロボットアクションは確かにすごく、変身は超スムーズ。やっぱり子供向け(しかも小学校低学年)か。

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あかね空

あかね空(★★☆☆☆)@飯田橋ギンレイホール

ギンレイホールは1年間有効のシネマカードを持っているので、ある程度の駄作であれば「まあしょうがないか」とあきらめがつく。

でも、これは無いなあ。

原作はたぶん悪くない(読んでないけど)。ただただ演出の問題ではないかと。諸悪の根源は二時間ドラマを思わせる、オーバーな演技。特に石橋蓮司のあの「せき」は「私はもうすぐ死にます」と明確に伝えていて、鼻白む。中谷美紀の娘時代も学園ドラマのような「私は恋に恋する乙女!」的演技。

また、「中谷美紀が長男を溺愛する理由」や「悪役が豆腐屋を守ろうとする必然性」が伝わってこない。
#ちゃんと絵では見せているのだけど、説得力が感じられない。

一冊の単行本を2時間でむりやりおさめたため、説明不足になってしまったのかな。

ちなみに、内野聖陽の一人二役、みっちゃんに指摘されるまでわかりませんでした(笑)。

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天然コケッコー

天然コケッコー(★★★★☆)@新宿武蔵野館

「リンダ・リンダ・リンダ」の山下監督作品。
#松ヶ根殺人事件は未見。

方言から最初はてっきり福山と広島の間にある瀬戸内海のどこか、と思っていたのだけど、途中で島根県とわかる。福山弁によく似てる。

全校生徒わずか6人の田舎の分校に引っ越してきた「イケメンさん」が小さな村に巻き起こす大小様々な波紋を丁寧に描く。

主人公右田そよ(夏帆)が抱える恋心の、やたら淡々とした描写が好感もてる。たぶん今時の中学生の恋愛ってこんな感じなんじゃないかなあ。

あふれんばかりの自然あふれる中、健全な男女交際をてらい無く撮った監督に拍手。

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夕凪の街 桜の国

夕凪の街 桜の国(★★★★☆)@シネマスクエアとうきゅう

大好きな、心から大切にしたいと願う原作がどう料理されるか、期待半分不安半分だったけど、よくがんばったというところか。

てっきり「桜の国」をベースに「夕凪の街」部分がフラッシュバックで入ってくるよう大胆に再構成するかと思っていたら、ほとんど原作通りに展開。ただし、「桜の国(一)」部分が「桜の国(二)」に吸収されていた。

「おまえの住む世界はここではないと誰かの声がする」

などの原作の名セリフたちはほぼそのまま踏襲されている。ただし、原作ほど心に染み渡ってこない。このあたりは、他のシーンと同じペースで流すのではなく、もっとじっくり時間をかけて映すほうがよかったのでは。

原作はかなりのマンガ読みでないと見逃してしまう伏線がてんこ盛りなのだけど、そのあたりはうまく言葉で説明しており、原作を見ていなくても十分理解できたのでは。よく参考にしているサイト映画生活での評価も8月19日現在1位と高い。

皆実役の麻生久美子はハマり役。それに対する七波役の田中麗奈は原作に忠実とはいえ、ちょっと現実離れした極端なキャラになっているかなあ。

映画では伝えきれないところがたくさんあったと思うので、ぜひ原作をあたってもらえればと。

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善き人のためのソナタ

善き人のためのソナタ(★★★★☆)@飯田橋ギンレイホール

ベルリンの壁崩壊前の東ドイツ、共産主義体制維持のための国民総監視システムが正当化されていた暗黒の時代。シュタージ(国家保安省)は少しでも怪しいと思った人物について徹底的な監視・盗聴を行っていた。

ある劇作家を監視していた職務に忠実な主人公ヴィースラーが、作家が恋人や友人たちと交わす「自由」への希求や「むき出しの愛」にふれることにより冷徹だったはずの心がとけていく様を描く。

「職務に忠実」であることは、「善き人」の必要条件かもしれないけれど、十分条件ではない。「職務」が「善きこと」であれば問題ないけれど、そうでない場合は「職務に忠実」=「悪人」となってしまう。

主人公は「善き人」であろうと常に思ってきたはずだ。しかし、僕らから見ると彼が「善き人」になるのは、「体制」を裏切ってから(=当時の判断基準からすると「悪人」となってから)となる。なんて大いなる皮肉。

日本という、自由な意見の言える、相互監視の無い国に生まれ育って、本当に良かったと思う。これからも、この自由は無くしたくない。

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ボルベール<帰郷>

ボルベール<帰郷>(★★★★☆)@TOHOシネマズ六本木

ペネロペ・クルスはスクリーン上でお色気をまき散らしているけれど、濡れ場はほとんど無し。もったいないというか何というか。

6人の女性が織りなす「死」にまつわるストーリー。冒頭がお墓の場面、というのも暗示的。といってもずっと暗い話というわけでもなく、「幽霊が出た」みたいな明るめなエピソードも交えたりしながら、順々に謎解きをしていく。

女の強さとしたたかさを十分堪能させてもらった。

ペトロ・アルモドバル監督は初見。オール・アバウト・マイ・マザーやトーク・トゥ・ハーも見なきゃ。

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傷だらけの男たち

傷だらけの男たち(★★★☆☆)@新宿武蔵野館

インファナル・アフェアの監督、スタッフが再結集し、トニー・レオン&金城武が主演する作品ということで、かなり期待していたのだけど…。

サスペンス的要素とドラマ的要素が組み合わさっているものの、どちらも中途半端かなあ。ストーリーの鍵となる殺人事件の犯人は直後にはもうバレてしまっているし、金城武はともかく、トニー・レオンの心中はラスト近くまであまりはかり知ることができない。

あと、完全犯罪のトリックが新本格推理並みにちょっと込み入りすぎ。もう少しシンプルでもよかったのでは。

インファナル・アフェアのような最初から最後まで目が離せない映画をイメージしていると肩すかしをくらってしまう。

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